人が怒らないようになるのは、「怒ること、怒らないことでどうなるのかを理解・実感する」ことから始まるのだと。
1 茂木さんが怒らなくなった理由とは
① 怒っても
a 相手にとって良いことがない
関係が絶たれてから気づく。
b 相手は変われない
失敗を繰り返す。萎縮する。
c 相手の一部だけを見ている
相手の短所の一部(時間にルーズ)だけを見て、一方に、優しい、親切、センスがいいなどがあるのを見ない。
② 怒らないと
a 気分がいい
b 成果が上がる
③ 怒ると
a 判断できない、鈍る
b アウトプットできない
怒り心頭で、怒りに任せ、正しい判断ができず、本当に言いたいこと、理解してほしいことが伝えられなくなる。
怒らない人生を送ることが人類の究極の目的
茂木健一郎
2 怒りとは、「不快」な感情
① 「不快」な感情
a 不安
先が見通せない
b 不満
現状が期待や想像より下回っている
c 不調
本来はもっとできるはずなのに、現実がそうなっていない
② 怒りのほとんどが、自分に向けられたもの
自分にとって不快だから。
自分に怒りをぶつけるのは、なかなか難しい。
だから、自暴自棄 → 矛先が他人やモノに向かう(八つ当たりする)
3 良い怒り、悪い怒り
① 良い怒り
a 現状や未来を大きく変えようとするもの
b 改善やイノベーションにつなげる
② 悪い怒り
人を不快にさせる
4 なぜ怒るのか
人それぞれが持つ価値観(基準)が異なるから
5 『価値観』とは
多くの日本人が持つ5つの価値観
① 決まりごと、守るべきもの
決まり事だから守らなければならない。
「守るのは当然❗」だ
② 真面目、勤勉
成果が出るのは人それぞれ
- 真面目にコツコツ
- 手短にパパッと
- 適度にサボリながら
③ 高い理想と要求
能力があって、求め理想が高い人。
自分にとっても、他人に対しても要求が厳しくなりがち。
④ 忍耐、ガマン
「石の上にも三年」は、すべてにおいて言えることではない。
⑤ 横並び、集団主義
a 合言葉「ワンチーム」
全員が横並びに行動することではない。
一つの目標を掲げて、全員で一つにまとまること。そこには、個人の尊重がある。
b 横並び・集団主義は、有無を言わさず一つにまとめてしまう。
『価値観は、時代や場所によってカタチを変える』
価値観を押し付けない
6 「怒り」は防御本能
人は「本能で怒る」。
◉【古代】外敵の多い時代には、生存の危機に見舞われることがしばしばだった。
だから怒りを爆発させて生命を守ってきた
◉【農耕時代】食料の確保が容易になり、生命の危機に合うことも少なくなった。
「怒り」を活用する機会が減少した。
◉【現代】「怒り」は、たくさんある感情のひとつになり、自尊心や満足感を守るものになってきた。
7 「怒る」のは脳のコントロール
① 「怒る」ときの脳
a 『扁桃体』が快・不快を決める
b 『前頭葉』が快・不快の感情をコントロールする
c 『前頭葉』のコントロールが効かなくなり『扁桃体』が過剰に反応した時「怒り」が行動に動く
「言語野」で、怒りに満ちた言葉を吐く。
「運動連合野」で、相手に暴力を働く。(血圧が上がり)声が大きくなるなど。
② 脳の連携プレーで「怒りの行動」に
脳の各機関はシナプスで結合され、そのつながりで体の各器官が動く。
「怒る」「怒り」は、脳がさせている
脳の『扁桃体』や『前頭葉』をいかに「平常な状態」に保てるかがカギ
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